師匠

先週末の土曜日,広島へ行ってきました。
大学院のときにご指導いただいた私の師匠が,
この3月で定年退職ということで,
最終講義,および退職記念祝賀会に出席してきました。
 
広島へ行くときは,たいてい飛行機なのですが,
あいにく今回は,丁度よい時間の飛行機がないということと,
最終講義は,東広島市広島大学であったので,
広島市内の広島西飛行場に着く飛行機では,不便ということもあって,
鹿児島から新幹線で,広島まで出かけました。
 
実は,九州新幹線って,初めてだったんですが,
案外,快適で,時間的にも広島まで4時間足らず,
結構使えるな,と思いました。
 
そんなこんなで,朝,鹿児島発の新幹線に乗り込んで,
リレーつばめ,のぞみ,こだまと乗り継いで,東広島駅
到着したのは,1時少し前でした。
2時からの最終講義には,余裕で間に合いました。
 
私の師匠というのは,代数学の専門の先生で,
大学院を修了した24歳のときから,なんと定年の63歳まで,
39年間にわたって,大学で教鞭をとり続けた人でした。
それだけでも,はぁ〜っという感じなのですが,
その間,初めの3年半は宮崎大学に勤め,
後の35年半は,学部の配属が変わったことはありましたが,
ひたすら広島大学に勤務されていたという人なのです。
まさに,ミスター広島大学って感じです。
 
私も,実際に指導してもらっていたときには,
細かい経歴までは知らなかったので,改めて脱帽です。
 
そんな偉い先生なのですが,その師匠に関して,
私が自慢できるのは,1番弟子であるということ。
といっても,長〜い広島大学の勤務経歴の中で,
大学院教育学研究科で指導した学生の中で,私が1番弟子
ということなのですが,,,,。
広島大学大学院の教育学研究科では,
教科教育学を専攻する大学院生は多くいたのですが,
代数学などの数学を専攻する内容学の大学院生は,いなくて,
私が大学院に入学したとき,初めての数学内容学専攻の大学院生
ということになったようでした。
 
思い返してみれば,初めての内容学の大学院生ということで,
どういった修士論文研究をすればよいのか,
内容学の立場をどう理解すればよいのか,全く手探りの状態でした。
そんな中で,内容学という立場から,教科教育の学会で
自分の考えを発表してみたい,と突拍子もないことを言い出した私に,
「ぜひ,がんばってみてください。教科教育のことはよく分かりませんが,
数学的な部分については,バックアップしますので,,,」と,
言ってくれたのが,師匠だったのです。
穏やかな性格の人で,いつも笑顔で指導してくれる師匠でしたが,
あのときの師匠のバックアップがあったからこそ,
代数学をベースにした教科内容学的な立場からのアプローチという
研究の基盤ができたと思います。
あの時,学会発表していなければ,今,こうやって
大学で教員養成の仕事をする私は,おそらくなかったことでしょう。
そんな意味で,私にとっては,とても影響を受けた
感謝してもし足りないくらいの恩師なのです。
 
最終講義の後は,広島市内に出て,退職記念祝賀会に出席しました。
あまり,大きな会にはしたくない,という師匠の希望で,
直接の弟子たちだけの集まる会でしたが,それでも60人くらいはいたでしょうか。
参会者も多く,祝賀会では,長々と師匠と話すことができませんでしたが,
改めて,師匠の偉大さに感激した祝賀会でした。
 
いや〜,やっぱり恩師っていいもんですね。
 
というわけで,

【本日の反省】
師匠の偉大さに触れ,自らも師匠に恥じることのない
研究生活を送りましょう。
でも,私の師匠は,なんであんなにいつも穏やかなのだろう,,,,。
人間の深さが違う,,,,。